産業廃棄物に該当するものって??
2017年7月28日6:00 AM カテゴリー:お役立ち情報ブログ,奈良県,奈良県大淀町
大淀町で不用品回収、粗大ごみの処分を行っているダストレです。
産業廃棄物は法律によって定められた方法によって処分する必要があります。適正に処分しない場合は罰則が科されます。ただ、どういった廃棄物が産業廃棄物に該当するのかを知らなければ、違法でないとの思い込みで捨てたゴミが罰則対象の廃棄物だったことになりかねません。そこで廃棄物に関する法律などを通してその分類を見ていきましょう。
廃棄物に関して直接規定した法律がいくつかあります。廃棄物処理法、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、小型家電リサイクル法などが主だった法律です。この中で廃棄物の分類に言及した法律が廃棄物処理法といえます。廃棄物処理法2条には、廃棄物がどういったものかの記載があります。ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥などに加え汚物や固体や液体で不要なものとされます。どのような物でも不要だとみなした時点で廃棄物に該当します。ただし、まだ使用できる家電などは、リサイクル法でリサイクルが義務付けられていますので不要であれば廃棄物とはなりません。
また廃棄物処理法2条では、廃棄物をいくつかに分類しています。一般廃棄物、特別管理一般廃棄物、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物が規定されています。一般廃棄物は法律上は、産業廃棄物以外と記載されていますので、産業廃棄物がどのようなものかが分かれば、一般廃棄物が自ずとはっきりします。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じたもの。船舶や航空機の航行に伴って生じたもの。
日本に入って来る者が持ち込んだものとされます。具体的には、焼却炉などの燃え殻、建設現場や工場排水などの汚泥、溶剤や洗浄剤などの廃油、廃酸、タイヤや樹脂などの廃プラスチック等、ゴムくず、研削などによる金属くず、ガラスやコンクリートくず、鋳物の廃砂など鉱さい、アスファルト破片などがれき類、煤塵、木くず、繊維くず、食料品や医薬品などの動植物性残さ、畜産業などで出た動物系固形不要物、動物の糞尿や死体、およびこれらを処分するために発生した廃棄物といった細かい分類があります。
さらにこれらとは別に爆発や毒性、感染のおそれなど人体や生活環境に甚大な影響を与えるおそれがある廃棄物を特別管理産業廃棄物に指定されています。具体的には、灯油や軽油といった燃えやすい廃油、化学薬品などの廃酸や廃アルカリ、注射針などの感染性があるもの、廃PCB、廃水銀、廃石綿、ヒ素やシアン、ベンゼンといった有害なものが該当します。
どういった廃棄物が産業廃棄物なのか分かったところで、産業廃棄物はどのように処理すべきか見ていきます。廃棄物処理法による決まりでは、事業者が自ら処理することになっています。そのために産業廃棄物処理基準や産業廃棄物保管基準が定められています。また自治体の許可を受けなければなりません。大まかな処理の流れは、廃棄物発生段階で再利用できるものは再利用する。排出された廃棄物は分別し一時的に保管する。収集運搬後、中間処理そして最終処理されます。その間再生できるものは他の製品の素材などに使用されます。
こうした一連の産業廃棄物処理に関わる業者に必要な許可要件とはどういったものでしょうか。産業廃棄物処理法では産業廃棄物の収集又は運搬を業務として行うためには、業務を行う地域の都道府県知事の許可を受ける必要があるとします。運搬だけを業務とするならば、積卸しをする地域の許可だけで構いません。その要件ですが、大きく分けて、事業者の能力に関する要件(欠格要件を含む)、事業者の有する施設に関する要件の2つがあります。
以下いずれかに該当すれば許可を受けることができません。
1、成年被後見人、被保佐人、破産者である
2、禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わるか執行を受けなくなって5年を経過していない
3、浄化槽法や暴力団員による不当行為等防止法に違反したが、その執行が終わるか執行を受けなくなって5年を経過していない
4、許可取り消しから5年を経過していない
5、業務に関し不正や不誠実な行為をするおそれがあると認められる
6、暴力団員である又は暴力団員でなくなって5年を経過していない
7、営業に関し成年者と同一の能力をもっていない未成年者で、その親権者など法定代理人が前記いずれかに該当するとき
8、法人の役員が前記いずれかに該当するとき
9、使用人に前記いずれかに該当するとき。以上が欠格事由です。
次に事業を的確に、かつ継続して行うに足るものとして基準に適合している必要があります。実際に新規産業廃棄物処分業許可を申請する場合、都道府県によって多少の違いがありますが、さまざまな書類を提出する必要があります。
法人の場合1、許可申請書。事業範囲や事業所の所在地、施設や処理方法などを記載します
2、誓約書。欠格事由に該当しないことを証明します
3、経理的基礎に関する書類。どのくらいの借入金があり、土地や建物などの資産を証明します
4、事業計画。どのような施設でどのような処理方法を行うかなどを記載します
5、定款 6、登記事項証明書 7、成年被後見人に該当しないことを証明する登記事項証明書
8、貸借対照表
9、株主資本等変動計算書
10、個別注記表
11、法人税納証明書などを添付します。こうした書類を提出し、都道府県知事等の許可を受ければ産業廃棄物処理業の経営をすることができます。一般廃棄物処理業を業として行う場合にも同じような書類を提出する必要があります。
産業廃棄物の処分方法には中間処理や最終処分があります。中間処理とは、廃棄物を圧縮、成形などにより少なくしたり、無害化したりする工程です。この工程で選別された廃棄物が再資源化されることもあります。一方最終処分とは、資源化できなかったゴミを埋立や海洋投棄により処分することです。
リサイクル技術の向上などにより最終処分まで回るゴミの量は確実に減ってきています。廃棄物処分の現状は、最終処分まで回されるゴミの割合は2.6%で、種類では汚泥が40%で、動物の糞尿がそれに続いています。これらに関してもリサイクルする動きはあり、汚泥であれば、乾燥焼成を経て園芸用土壌に生まれ変わったり、ブロックやレンガ、セメントの原料になっています。
また動物の糞尿も園芸用肥料として再生され、最終処分される前に生かす方法が模索されています。また、どのような廃棄物が最も中間処理されているかとの視点で見ると、木くずやがれきが一番多く50%を超えています。次いで汚泥の脱水施設が16%です。汚泥の中間処理施設は割合では2番目でありながら、最終処分量は最大ということは、いかに汚泥の排出が多いかを物語っています。
産業廃棄物処理施設を設置するには、業務をおこなうための許可とは別に施設を設置する許可が必要です。また施設を建設するには建築基準法などの基準をクリアする必要がありますし、周辺環境を害さないために都市計画との調整も重要です。さらに産業廃棄物を運搬する場合、騒音や大気汚染の問題が生じ易いので周辺住民の理解は欠かすことができません。施設の基準は廃棄物処理法に定められています。
最終処分場にも構造上の基準があり、大きく3つに分類され遮断型、管理型、安定型があります。遮断型では、有害な燃え殻や煤塵、汚泥など廃棄物中に含まれる有害物質を外部に漏洩させないようにします。そのため雨水が入るのを防止し、周辺環境のモニタリングをしなければなりません。管理型では、遮断型の対象廃棄物となるほどの有害性はないものの管理を要するものです。埋立てた場合に汚染された物質が溶け出たり、有害なガスが発生するおそれがあるため管理を要するのです。
そのため雨水が入るのを防止し、周辺環境のモニタリングを行うとともに溜まった水を浄化して排水する設備を設置し、発生したガスも排出します。安定型では、有害物質などがない廃棄物を対象とし、雨水などにさらされても影響がないものです。安定型廃棄物は原則5項目と環境大臣が特別に指定したものに限定されます。有害物質がないことを前提として処分する安定型施設に、本来その他の施設で処分すべき廃棄物が混入しては問題なので、安定型施設に搬入された時点でひとつひとつ調べる義務が課されています。
廃棄物処理法は、廃棄物を収集し、また運搬することを業務とする事業者に対する規定のように考えがちですが、実際には、産業廃棄物の処理は廃棄物を出した事業者自ら処分するように定められています。そのために処理基準や運搬されるまで保管するための基準を定めたり、事業外で保管するならば届け出る必要があります。他の事業者に委託する場合には書面による契約が求められます。また特別な管理が必要な廃棄物である特別管理産業廃棄物が出る事業所では、責任者を置く必要があります。この責任者は一定の資格を持ってなければならず、医師や大学で医学を専攻した者、高校卒業ならば決まった年数の経験が必要になります。このように廃棄物処理法は先ず初めに廃棄物を出す事業者が為すべき義務を規定しているのです。仮に法の定めに違反すれば、罰則が科されます。
軽いものでは10万円以下の過料から一番重いものは5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が科されます。ちなみに10万円以下の過料は、未登録の事業者の名称を使用した場合、一番重い刑に該当する罪状は営業許可の不正取得などがあります。注意すべきは、投棄禁止廃棄物を投棄しようとした未遂でも罰則が科される点でしょう。その他必要な記録を保存していなかったり、虚偽記載していた場合も罰せられます。都道府県知事等許可権者は、廃棄物を排出する事業者や処理業者、施設管理者などに対して、処理の方法が適切か施設の構造に変更はないかなど報告を求めることができます。また建物や施設に立入り、帳簿や書類を検査することもできます。立入検査を妨害すると罰則が科されます。検査の結果、適正に処分が行われていなかったり、保管方法に虚偽があった場合などは改善命令がなされます。適正処分がなされないために環境を害したり、害するおそれがあれば業者に必要な措置を講じるよう命じることができます。改善命令や措置命令に従わなかった場合も罰則が科されます。
罰則が科される一方で、優秀な産業廃棄物処理業者を認定する制度もあります。認定は都道府県知事が行い、認定を受けると許可有効期間が5年から7年に延長されたり、更新時の添付書類の一部省略が認められるなど適切な処理へのインセンティブが働くよう工夫されています。認定の基準は、コンプライアンスの徹底、情報公開など事業の見える化、国際環境基準ISO14001の登録、財務の健全性などが挙げられます。産業廃棄物処理業者を選定する場合の基準にもなるでしょう。
こうした原則的規定の他に、地方自治体ごとに必要な許可を不要とする広域認定制度があります。廃棄物によって環境を害するおそれがなく、製造業者自身が処理を行い廃棄物の減量化などが実現できることが条件とされます。この条件のほか財政的技術的要件を備えていれば認定されます。その他処分業の許可を要しないものとして無害化処理認定制度もあります。
特定の業種、事業活動の対象範囲、一般廃棄物との違いにより産業廃棄物は判断されます。処分には細心の注意を払い不法投棄がなされないようマニフェスト制度が設けられています。廃棄物は発生させた事業者が処分すべきですが、他の処理業者に委託すると、どういう過程で廃棄物が発生したのか見えなくなります。そこで廃棄物の履歴を記載し第三者でも分かるようにするのがマニフェスト制度です。いわば廃棄物のトレーサビリティといえます。これにより廃棄物に関わる事業者の責任を喚起できます。収集運搬時の保管基準や中間処理時の保管基準など産業廃棄物は環境を害するおそれがあるため詳細な規定がありますし、事業者は帳簿を保存しておく義務もあります。こうして問題を事前に予防し、一旦問題が生じれば事後に調査ができるようにしています。
自動車を初めとしたCO2の排出量への取組や、資源の再利用など環境への配慮は今や国際的な共通認識になっています。そうした流れの中にあって産業廃棄物の処理の重要性はますます高まっています。処分過程における再資源化の促進、ごみの減量、無害化といった技術革新を通してよりよい環境を生み出しています。
大淀町で不用品回収、粗大ごみの処分はダストレへ
https://www.youtube.com/watch?v=odKdE33PSVI&feature=youtu.be